最終更新:ID:5hfcYu6Fkw 2021年01月29日(金) 02:38:49履歴
…これはもう何百年も前の話である。一人の老婆が、ベッドで仰向けになっていた。
身体はもうほとんど動かず、残りわずかな命の終わりを待つのみだった。
そこに、彼女の昔からの友人が最後の挨拶をしに来た。
「…やあ、久しぶり。……意識はあるかい」
「あ、貴方なのね…。…モウロウとしてるけど貴方が来て少しはっきりするようになったわ」
老婆は少し目線を彼に向け、答えた。
「イロイロと忘れちゃったけど…あなたの事は、忘れてないわ…」
「……時の流れとは早いものだ。この間まで君は少女だったと言うのに」
「もう、いつの話をしているのよ。…用は何かしら?」
「今日は君に…最後の挨拶に来た。…しばらく、会って無かったが、君と会うのはきっとこれが最期だと思う」
「……今まで、ありがとう。君に出会えてよかった」
「私も…。旦那を除けば、あなたに会えたことが人生最大の喜びよ」
「流石にそれは言い過ぎだろう」
「いいえ…あなたと過ごした時間は…かけがえのないものだった。…貴方のおかげで私は変われたの…」
「……それは、僕もだ」
「………………」
思わず会話が止まる。これ以上話を続けると、もう会えなくなるという事実がどうしようもなく頭に浮かんで、悲しくて。
それでも二人は昔からよく一緒にいた。黙っていても心では通じ合っていた…。
そしつ、彼女が口を開いたのはそれから約5分後の事だった。
「……。最期に…頼みがあるの…」
「……なんだ」
「私の…子供達を…見守ってあげてちょうだい。それだけが気がかりなの」
「貴方は私よりずっと長生きなのよね…実際、出会った時からちっとも歳を取ってるように見えないわ…」
男は長命の種族だった。彼女が成長し、老いても彼にとっては人生のほんの少しの時間でしか無かった。
「ああ。我々は人間より遥かに長生きする」
「そうよね…じゃあ私に代わって、子供達を見守っててくれるかしら…?何かあったらあなたの力で守って欲しい…。できれば子々孫々まで…。信頼している貴方にしか出来ないの」
少し考えた後、彼はまっすぐ彼女を見て言った。
「…他の誰でもない、君の最期の頼みだ。聞き入れよう」
「ありがとう…。…私には娘と息子がいる…。それぞれ家庭を持っているわ」
「…会ったことがないから分からないが、どこに住んでいるのかとかはわかるのか?」
「フフ、私も…数年会ってないからわからないわ。家を出てからはお互い音信不通だったからね…。私がここに居るのもきっと知らない…」
「昔から君はそう言うところはいい加減だったな…」
「でも貴方達なら…探すこともできるんでしょ?僅かな痕跡から」
「ああ、そうだが…」
「これで、どうかしら」
彼女は用意してたかのように手の届く場所に置かれていた袋からあるものを取り出した、
「これは…血が入っているね」
「…自分のを少量、この容器に入れておいたのよ」
「貴方なら必ず、私が死ぬ前に一度顔を出してくれる…そう踏んでね」
「ふふ…さすがだ。受け取ろう」
「……それじゃあ、そろそろ僕は行く。…さようなら」
「ええ…。来世でももし、貴方が生きていたら…会えたらいいわね…」
_________________
____________
_______
それから彼は彼女の血を使い、最も近い血縁者を二人見つけた。
彼女の最後の頼みである、子孫を見守り続けるという約束を彼はずっと守り続けた。
見守る…。勿論ただ見ているだけではない。大変な時は彼が人知れず助けに行った。
ある時、子供が誘拐されそうになった時。誘拐犯を気絶させ、子供は夫婦の元へ届けられた。
ある時、親子が町はずれで魔物に襲われそうになった時。不思議な力で、親子から魔物を退けた。
いつしか彼女の子孫達は、「我々の家系には、代々守護神様が憑いて守ってくださっている」と伝えられるようにもなっていた。
そして、時は現代。彼の元にある情報が入る。
「……そんな、馬鹿な事があるか…」
「いえ…それが…」
何か衝撃的なことを伝えられたようだった。
「両家が…同時に陥落しただと!?…ふざけるな。前回の報告を聞いてからまだ二時間も経っていない…!!」
「とても悪夢の様な偶然が重なりまして…。それに片方の方は以前からとんでもない爆弾を抱えていたじゃないですか…!」
「それもそうだが、明らかに…!!……いいか。ついさっき、双方異常無しの報告を受けた。そこから二時間もしないうちに二つ同時に陥落…!!こんな事がありえるかい?意図的に起こさないと無理な話だ…!」
「…おのれ!!誰かの陰謀すら感じる…!僕達の動向を…誰かが探っていた…?そいつの仕業か…?」
「お気を確かに!……お言葉ながら、少し考えすぎなのでは…」
「うるさい!!…………ああ、すまない、取り乱した。それに理不尽にもお前に…当たってしまったな。」
「いえ、こちらも出過ぎた真似をしました」
「………とにかく、今すぐ出かけるぞ。準備をしろ」
「はっ」
「…ど、どちらへ行かれるんでしょうか」
「…決まっているだろう?約束の有効期限は僕が死ぬまでだ…!!急ぐぞ。今なら間に合う」
_______________
「もう終わったのね」
「ああ。危ない状況だったがなんとか間に合った。」
「……それにしてもまったく。狂っているよこの時代は」
「月日が過ぎて行くことに、奴らの愚かさに磨きがかかっている。それもここ数年は著しい勢いだ…!!」
「…我々はどうやら計画を急がねばなるまい。これ以上彼女らの様な者を増やさないためにも。」
This story is full of things I don't understand. Of course, this is because the expression was intentionally minimized.
If you pile up little by little, you will eventually reach the answer. You can see the connection to seemingly unrelated things.
So don't rush. From the fact that it is revealed little by little rather than showing an overt connection from the beginning
It would be much more fun to get there by yourself.
…このSSは既に出来上がっている設定が割と超展開な為、後付けだろ!とか思われない為に先に伏線を貼っておく為に作りました。
身体はもうほとんど動かず、残りわずかな命の終わりを待つのみだった。
そこに、彼女の昔からの友人が最後の挨拶をしに来た。
「…やあ、久しぶり。……意識はあるかい」
「あ、貴方なのね…。…モウロウとしてるけど貴方が来て少しはっきりするようになったわ」
老婆は少し目線を彼に向け、答えた。
「イロイロと忘れちゃったけど…あなたの事は、忘れてないわ…」
「……時の流れとは早いものだ。この間まで君は少女だったと言うのに」
「もう、いつの話をしているのよ。…用は何かしら?」
「今日は君に…最後の挨拶に来た。…しばらく、会って無かったが、君と会うのはきっとこれが最期だと思う」
「……今まで、ありがとう。君に出会えてよかった」
「私も…。旦那を除けば、あなたに会えたことが人生最大の喜びよ」
「流石にそれは言い過ぎだろう」
「いいえ…あなたと過ごした時間は…かけがえのないものだった。…貴方のおかげで私は変われたの…」
「……それは、僕もだ」
「………………」
思わず会話が止まる。これ以上話を続けると、もう会えなくなるという事実がどうしようもなく頭に浮かんで、悲しくて。
それでも二人は昔からよく一緒にいた。黙っていても心では通じ合っていた…。
そしつ、彼女が口を開いたのはそれから約5分後の事だった。
「……。最期に…頼みがあるの…」
「……なんだ」
「私の…子供達を…見守ってあげてちょうだい。それだけが気がかりなの」
「貴方は私よりずっと長生きなのよね…実際、出会った時からちっとも歳を取ってるように見えないわ…」
男は長命の種族だった。彼女が成長し、老いても彼にとっては人生のほんの少しの時間でしか無かった。
「ああ。我々は人間より遥かに長生きする」
「そうよね…じゃあ私に代わって、子供達を見守っててくれるかしら…?何かあったらあなたの力で守って欲しい…。できれば子々孫々まで…。信頼している貴方にしか出来ないの」
少し考えた後、彼はまっすぐ彼女を見て言った。
「…他の誰でもない、君の最期の頼みだ。聞き入れよう」
「ありがとう…。…私には娘と息子がいる…。それぞれ家庭を持っているわ」
「…会ったことがないから分からないが、どこに住んでいるのかとかはわかるのか?」
「フフ、私も…数年会ってないからわからないわ。家を出てからはお互い音信不通だったからね…。私がここに居るのもきっと知らない…」
「昔から君はそう言うところはいい加減だったな…」
「でも貴方達なら…探すこともできるんでしょ?僅かな痕跡から」
「ああ、そうだが…」
「これで、どうかしら」
彼女は用意してたかのように手の届く場所に置かれていた袋からあるものを取り出した、
「これは…血が入っているね」
「…自分のを少量、この容器に入れておいたのよ」
「貴方なら必ず、私が死ぬ前に一度顔を出してくれる…そう踏んでね」
「ふふ…さすがだ。受け取ろう」
「……それじゃあ、そろそろ僕は行く。…さようなら」
「ええ…。来世でももし、貴方が生きていたら…会えたらいいわね…」
_________________
____________
_______
それから彼は彼女の血を使い、最も近い血縁者を二人見つけた。
彼女の最後の頼みである、子孫を見守り続けるという約束を彼はずっと守り続けた。
見守る…。勿論ただ見ているだけではない。大変な時は彼が人知れず助けに行った。
ある時、子供が誘拐されそうになった時。誘拐犯を気絶させ、子供は夫婦の元へ届けられた。
ある時、親子が町はずれで魔物に襲われそうになった時。不思議な力で、親子から魔物を退けた。
いつしか彼女の子孫達は、「我々の家系には、代々守護神様が憑いて守ってくださっている」と伝えられるようにもなっていた。
そして、時は現代。彼の元にある情報が入る。
「……そんな、馬鹿な事があるか…」
「いえ…それが…」
何か衝撃的なことを伝えられたようだった。
「両家が…同時に陥落しただと!?…ふざけるな。前回の報告を聞いてからまだ二時間も経っていない…!!」
「とても悪夢の様な偶然が重なりまして…。それに片方の方は以前からとんでもない爆弾を抱えていたじゃないですか…!」
「それもそうだが、明らかに…!!……いいか。ついさっき、双方異常無しの報告を受けた。そこから二時間もしないうちに二つ同時に陥落…!!こんな事がありえるかい?意図的に起こさないと無理な話だ…!」
「…おのれ!!誰かの陰謀すら感じる…!僕達の動向を…誰かが探っていた…?そいつの仕業か…?」
「お気を確かに!……お言葉ながら、少し考えすぎなのでは…」
「うるさい!!…………ああ、すまない、取り乱した。それに理不尽にもお前に…当たってしまったな。」
「いえ、こちらも出過ぎた真似をしました」
「………とにかく、今すぐ出かけるぞ。準備をしろ」
「はっ」
「…ど、どちらへ行かれるんでしょうか」
「…決まっているだろう?約束の有効期限は僕が死ぬまでだ…!!急ぐぞ。今なら間に合う」
_______________
「もう終わったのね」
「ああ。危ない状況だったがなんとか間に合った。」
「……それにしてもまったく。狂っているよこの時代は」
「月日が過ぎて行くことに、奴らの愚かさに磨きがかかっている。それもここ数年は著しい勢いだ…!!」
「…我々はどうやら計画を急がねばなるまい。これ以上彼女らの様な者を増やさないためにも。」
This story is full of things I don't understand. Of course, this is because the expression was intentionally minimized.
If you pile up little by little, you will eventually reach the answer. You can see the connection to seemingly unrelated things.
So don't rush. From the fact that it is revealed little by little rather than showing an overt connection from the beginning
It would be much more fun to get there by yourself.
…このSSは既に出来上がっている設定が割と超展開な為、後付けだろ!とか思われない為に先に伏線を貼っておく為に作りました。
コメントをかく