またーり書き込みしましょ(´・ω・`)

プロローグ『言い伝え』


その昔のことです…

広大な大地に、人が誕生しました。

人は進化と共に、知能と力を得ました。

そしてある時から、人々をまとめ上げる『リーダー』なるものが生まれたのです。

さらに時が経つにつれ、部族の中で誰がリーダーになるか争いが起こりました。

争いはさらに争いを呼び、幾つかの派閥になり、戦いが起こりました。

彼らはお互いを騙し合ったり蹴落としあったり、それはそれは醜い争いでした。

その時の人の『醜い感情』から、魔物が生まれました。

魔族は人の知識を受け継ぎました。魔族は人間より力が強く、賢く、力をつけました。

…そして、人間に危害を与え、とうとう魔物と人間の戦いとなったのです。


人間は一丸となり戦い、最終的には魔物のリーダーはどこかへ消えてゆきました。

魔物が生まれたのは、同じ種族同士で争う人間達を
一つにまとめる為に神が与えたキッカケなのだと、

今でも語られています…。



老人「…というのがこの里に伝わる言い伝えじゃよ。」

少年「へぇー、でもさお爺ちゃん。人間の協調性を取繕う為だけに生まれてきた魔物がかわいそうじゃない?」

老人「そうじゃな…そのおかげで今の人間達が協力出来ておると言われてるがのう…」

少年「それに、魔物って今じゃ人間に住処を奪われたりしてるよね?一緒に暮らしたりとか、出来ないの?」

老人「うむ…力の弱い魔物なら街に行けば共存してる姿を見られるがのぅ…偉い人間と、強い魔物。両者共に、共存という考えはないのじゃ。仮にわしらが共存を訴えても白い目で見られるじゃろうな」

少年「そっかあ…じゃあお爺ちゃん!僕が変えてみせるよ!人間と魔物が暮らせる楽しい世界にさ!!」

老人「フォフォフォ、面白いことを考える子じゃのう。どれ、楽しみに待っておこうかの」



…そして、数ヶ月が経った。
ある日突然。老人は死んだ。
魔物に殺されたのだ。

少年「じ、爺ちゃん……」

神父「……発見された時には魔物に食い荒らされてました」

少年「う…うう……」

少年「うわぁあああああああああん!!」

少年は三日三晩泣いた。
悲しさよりも遥かに強い憎しみの感情を持って泣き続けた。

少年「魔族なんて……嫌いだ!!」

幼き少年の夢は、脆くも数ヶ月で打ち砕かれたのである…

1話『壊された日常』


「うわぁあ、遅刻する!行ってきまーす!」

ヒイラギシティの住宅街に建つ一軒家から、男の子が慌てながら飛び出す。

「いってらっしゃい優也!急げば間に合うわよ、全力ダッシュ!!」

母に見送られながら男の子は学校へと急ぐ。
男の子の名前は真田優也。平木中学に通う中学二年生である。

「はぁッ…はぁッ…昨夜サッカーの試合を遅くまで見たから寝坊しちゃったなー…やっぱ録画してゆっくり見るべきだったかなッ…」

優也は遅刻1分前でギリギリ学校の敷地内に入れた。そしてホームルームが始まる寸前で
教室にたどり着いたのであった。

「優也、もう遅刻かと思ったぞー。」

「やっぱりサッカー見てたんでしょ?」

「彼女は起こしに来なかったのかな?」

クラスメイトに囃し立てられるのを尻目に優也は席についた。

「よく間に合ったわね優也。私も結構ギリギリまで待ってたのに」

「あれ、楓今日来てたのか?」

「遅かったからおいてったわ。あんた何回お母さんに起こされたと思ってるの?」

「……最後に拳骨で叩き起こされたことしか覚えてないや」

「はぁ…あのねー。外から聞こえただけでも7回は怒鳴ってたわよ…よくそんなに起きなかったわね逆に。」

優也の隣の席で話している彼女は桐谷楓。
優也の幼なじみで毎日一緒に登校をしているが今朝は優也の大寝坊に痺れを切らして先に行ってしまったようだ。

「…いやホントにわからなかった。待たせてなんかごめんな楓」

「謝るなら、何回も起こす羽目になったお母さんに謝りなさいよ」

「…帰ったらそうするよ」

ガララッ

「全員席に着けー。日直、号令!」

先生が入って朝のホームルームが始まる。
そして今日もいつも通りの日常が始まろうとしていたその時だった。

ドン…ドン…

「…ねえ、何か揺れてない?」

「地震か?」

「いや……なんか地響きのような」

「だんだん近づいてきていないか?」

「み、みんな机の下に隠れ…

ドガーン!!

次の瞬間、教室の窓が割れる。窓側の生徒は奇跡的に飛び散ったガラスを浴びる事は無く一目散に廊下側へ逃げて行く。

「な、なんだ…!?」

「あ、あれをみろよ…!!」

「……ウソだろ」

窓の外には大量のドラゴンが集まっていた。

2話『逃げ惑う人達』


「さ、騒ぐな!!落ちつけ!」
と先生が呼びかける。

「これが落ち着いてられるか!」
とお調子者の男子。

「なんでドラゴンが街に!?というかなんでわざわざうちの学校に来たのよー!」
とお喋りな女子。

先生が必死に生徒をまとめようとするがパニックになった生徒達は全く聞く耳を持たず騒ぎたてる。

「みんな冷静になって!!急いで列を作って集団で避難するのよ!こういう時の為の避難訓練でしょ!」
と委員長が冷静な指示を出した事により、みるみるうちに列ができる。

「みんな!避難の時のルールを破らず急いで逃げるのよ!!」
叫ぶ委員長。

「…それ『走らない』を破る事にならないか?」

「そこ!喋らない!!いいから早く、廊下に出て…」

ドラゴン「ぎゅるるるあああーー!!!」

ドラゴンから灰色の光線が放たれる。

「ぐわぁあああ!!」

「あ…ああ…身体が…」

「えっ…みんなの身体が石に…」

「これは…石化魔法だ!恐らくあの竜の光線に浴びた人達はこんな風になってしまうみたいだぞっ…!」
と頭のいい男子がいう。

ドラゴンの光線によって先生と委員長を含む列の半分が石化してしまう。まとめ役の人間を失った生徒達はみんな一目散に逃げ出した。

「優也!!早く逃げないと私達も石にされちゃうわよ!!」
楓が叫んだ。

「で、でもみんなを置いてったら…」

「いいから、早く走る!!」
楓に引っ張られそのまま優也は廊下を走り出した。

「廊下の窓からも来てるぞ!!うわっ、校舎が!!」

「落石に気をつけて!!とにかく下に逃げるのよ!!」


「うわぁああ、助けてくれー!!」

「きゃああああ!!」

後ろから逃げ遅れたクラスメイトの悲鳴が聞こえる。

「っ…!みんな…」

「優也、立ち止まっちゃだめよ!!石化した人達を助けようとしても同じ目に遭うだけ!今は逃げるのよ!!」

「あ、あぁ…ごめん、みんな」

「…私だって、みんなを見捨てるのはイヤよ…」

優也と楓はみんなを見捨てて逃げる道を選んだ。…後にこの選択が、良い方向に転がる事を切に願って。



3話『追い詰められた二人』


「ぜぇっ…ぜぇっ…」

「はぁっ…はぁっ…」

崩れ落ちた瓦礫や床に空いた穴をかわしながら、優也と楓は逃げ回る。

「下に降りるわよ!!とにかく外に出れば逃げ道はいくらでもあるわ!」

「あぁ、わかった!」

階段を降り、一階にたどり着いた優也達だったが…

「…ダメだ、昇降口に何匹もドラゴンがいる!!」

「反対側の通路も塞がれてるわ…!!二階に今更戻っても…逃げられっこない!!」

「ど、どうしよう完全に逃げ道が塞がった!!」

「…こうなったらさらに下に降りるしかないわ…!」

「し、下?」

「地下一階よ。普段生徒は立ち入れないけど…こんな非常事態に好き勝手言ってられないわ!!」

「ま、待ってよ楓!!確かに地下しか逃げ場所はないけど…!」

地下への階段を駆け下りる楓。それを追いかける、優也。しかし二人の前に立ちはだかったのは鍵のかかった扉だった…

「くっ、この…開いてよ!開きなさいよッ!!」

「やっぱり…行き止まりッ…!!」

「優也!!この扉こじ開けるわよ!」

「え!?そんな無茶な…」

「無茶でもなんでもいいからやるのよ!!火事場の馬鹿力でなんとしてでも開けるのよ!!」

二人がかりでドアノブを引っ張ったり、ドアを蹴飛ばしたりするが、扉はびくともしなかった。

「ドラゴンの泣き声が直ぐ近くに迫ってる!」

「ああ…!!もうダメだわ!」

「ぎゅるるぁあああーー!!」

ドラゴンから二人にめがけて、石化の光線が放たれる。

「「きゃぁああああああ!!」」

「…………」

「…………」

「……アレ?石化してない」

「一体なにがどうなって…!!」

二人の目の前には一人の老人が立っていた。


4話『謎の仙人』


「…誰?」

「あ、あの光線を防いでるわ…」

完全に腰が抜けてしまった二人。

「…ふぅ、危なかったわい。おぬしらまでやられていたら全滅じゃったな」

「ぜ、全滅って…」

「がぁああう!!」

「他のモンスター達も来たよ…!!」

「…お主ら、下がっておれ」

「ギガブレイズ!!」

手をかざした仙人から、特大の炎が噴き出る。

「グァァアアアアア!!」

「す、すごい爆炎だ…」

「なんなの、あの人…」

「…ふぅ。とりあえず、お主らを狙ってたドラゴンは追い返せたのぅ」

「い、今のは…?」

「今のはギガブレイズ。巨大な炎で敵を一掃する魔法じゃ。」

「…そんな事よりあなた一体何者なのよ!?」

「…うむ、ここじゃ落ち着いて話もできん。一旦帰るとしよう」

「お二人さん、もう少しわしに近寄りなさい」

「「…?」」

「帰還!!」

そう老人が口にした瞬間、眩い光が3人を包み、一瞬にして消えてしまった。


「…えっ!?ここはどこ?」

「何をしたの!?」

「落ち着きなさい。ここはわしの家じゃ。唱えれば一瞬でここに戻れる帰還の魔法を使ったのじゃ」

「すごい…この魔法があれば遅刻しないで済みそう」

「くだらない事考えてないで、このお爺さんに聞くことがあるでしょ!」

「ごめんって…それでお爺さん。まずあなたは何者なんですか?」

「うむ…折り入って話すとしようかのぅ…」

「わしはこの仙人の里で暮らしている仙人たちの一人じゃ。この里では北のはずれに住んでおるから『北方の仙人』と呼ばれておる。」

「…仙人の里?」

「この地に住む人間はある特異な加護が与えられる。それは長寿じゃ。長寿と言っても100歳じゃ生ぬるいぞ?300歳、500歳、1000歳と…。まさに仙人と呼ばれるに相応しいぐらい長く生きるのじゃ」

「す、すごい加護ですね。不老不死に憧れる人が押し寄せて来そう…」

「…やましい心を持つ者は加護を得られん。それにここにおる仙人たちは皆訳ありでな。かくいうわしも様々な事があってここにたどり着いたが…今はそれよりも話すことがある」

「わしはお主達をここへ連れてくるためにあそこへ訪れた訳ではない。…実を言うとあのドラゴンが街を襲うのは予想ができていた。じゃから未然に街を襲撃から防ぐために向かっていたのじゃ」

「…そうなんですか?それじゃあなんであんなギリギリで」

「うむ…"連中"の動きがこちらの予想を上回る早さだったのじゃ」

「…連中?」

「……魔王軍じゃよ」

5話『魔王軍の野望』

長い説明回なので面倒なら飛ばす事をオススメする

「…まず大前提として、この世界は幾多の数の魔王がおるのは知っておるか?」

「…えぇと、授業では教えてくれなかったです」

「わたしは本で読んだことがあるわ、今は世界を脅かすような魔王はいないって書かれてたけど…」

「うむ、大方その通りじゃ。しかし数年ほど前から急激に勢力を増し力をつけた魔王がおる。その名は魔王リヴァ!」

「リヴァ!変わった名前ね」

「町を襲ったのも奴らなの?」

「…魔王リヴァは世界中の魔物を活性化させる巨大な術を発動した。それはほんの数時間前の事じゃ。そしてそれによって魔物が世界中で大暴れ。奴らの計画を円滑に遂行する為の一手だった訳じゃ。」

立ち上がり、部屋の隅を眺めながら語る仙人。

「…しかしお主らの街に人を石化させる龍を送り込んだのは故意的じゃがな」

「え?」
と優也が気の抜けた声を出す。

「…その理由は後で話す。奴はこの世界を魔族の世界にするつもりじゃ。そしてその計画を進めているのをわしらは知っていた」

「…知っていたんですか。さっきもそのような事を言ってましたね」

「うむ、この里にすむ者の力じゃ、邪悪な物の悪意や、存在を感じとることが出来る。じゃから今回お主らを助けられたという訳じゃ」

「ならもっと、未然に根本から防げなかったのかしら」

「無理を言うでない!わしらとて、そう易々と魔物にやられたりはせん…じゃが魔王軍に立ち向かっていくほどの力と軍勢は無い。」

「じゃあどうするつもりだったんですか!」

「策はあった!!…さっきも言うたが連中の動きが予想を上回る早さじゃったから対応が遅れた…完全にこちらのミスなのじゃ…すまななかった。」

「…おじいさんが謝ることではないと思います。とにかくおじいさんは僕らのために動いてくれてたんですね」

「…ところでその策というのがなんなのか知りたいわ」

「…うむ、それはじゃな…勇者を送り出すという事じゃよ」

「「……勇者?」」
二人の声が揃った。

「この里には伝説の剣が存在する。その剣は成人していない未熟ながらも、成熟した考えもできる子供にしか抜けないのじゃ。…年齢で言えばお主らのような。」

「…魔王軍はその情報も手に入れていた。そして万が一計画の障害にならぬように手を打つところまでワシらも予測ができたのじゃ」

「…なんか俺たちが学校に通ってる間に高度な読み合いがあったんだな…」

「この里は聖なる力が働き悪きものは立ち入れなん聖域。打ち破る方法はあるにはあるがとても手間がかかった。…そこで魔王は剣を抜ける対象を潰すことを考えたのじゃ」

「そっちの方が手間がかかりそうな気もするわね…第一この里にも子供くらいいるんじゃないかしら?」

「そんな事は無い。第一にこの里には子供はいてもいずれも剣を抜けるほど成熟はしておらんかった。第二にこの大陸と陸繋であるのはお主らの住んでる大陸、ただ一つ。そこにいる子供さえ剣を抜かなければいよいよ、海を渡り探しに出ねばならん。」

「だ、だから…あの龍を俺たちの街に送り込んだんですか」

「…でもなんでわざわざ石化魔法を使う龍を送ったの?」

「…さぁ、な。何故だかわからぬが連中は必要以上に殺しをしない。今回、世界中がパニックに陥ってる中でも死者は少ないのじゃ」

「…さて、さっきも言うたが剣を抜けるのはお主らのような中学生の子供なのじゃよ…」
そう言いながら仙人は優也達に振り向いた。

6話『勇者と聖剣』

「…そんな期待の込められた目で見つめられても困ります、勇者なんて大それた事俺には…」

「…良いか?おぬしらが剣を抜かねば魔王軍に立ち向かえるものはいない。そしてあの龍によって石化された者達は魔王にしか石化を解くことができぬ。つまりおぬしらにしか救うことが出来ないのじゃ。…家族と友人に会えなくなっても良いのか?」

「………………」

沈黙が続く優也。

「何黙りこくってるのよ!確かにすごく唐突で危険な事だし、今の仙人の説得はどこか卑怯な感じよ。でも、みんなを助けられるんでしょ?なら、やるしかないじゃないの!!」

「……うん。そうだよな。ありがとう楓…仙人。剣はどこにあるんですか?」

「覚悟を決めたか。…うむ、本当にすまない。彼女の言う通り、じゃ。家族や友人をダシにしてすまなかった。必死過ぎて手段を選んでられなかった。じゃが本当にお主らしか出来る者がいないのは事実なのじゃ……剣、じゃな。ついてきなさい…」

「…楓、ちょっと卑怯ってのは言いすぎたんじゃないか?この人、すごい恐縮しきっちゃってるよ」

「何よ、本当のことじゃない。あの説得聞いた時、私ほんとはすぐに怒鳴りつけてやりたかったんだから」
怒りをあらわにする楓と、しょんぼりする仙人に挟まれ歩く優也はとても居心地が悪そうだった。

〜数分のち〜
「…ここに、剣があるんですか」

「…うむ。とても大昔、この里ができるよりも前に封印された伝説の剣…」

「聖剣イノーマスじゃ…」

「台に剣が刺さってるわ…これが伝説の剣なのね」

「…大昔というだけあって年代物っぽいな」

「…今まで遊び半分や不純な理由でその剣を抜こうとしては拒まれ今まで抜けたことのない聖剣。…この非常事態で、覚悟を決めたお主なら…抜けるはずじゃ」

「…それじゃあ抜きますよ」

「…あれ?抜けな…うわぁっ!!きゅ、急に抜けた…」

「案外あっさり抜けたわね…」

「おぉ…見事剣に認められたな!!勇者優也の誕生じゃ!!」

「…剣が抜けたのはいいんだけどさ」

「これ本当に勇者の剣なんですか?古びてるのはわかりますがだいぶ錆び付いているんですけど…」

「その剣は使用者の能力に応じて成長するのじゃ。長い間使われなかった今は力が封印されておるからそのような姿なだけじゃわい」

「成長する剣…なんかすごい」
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このページへのコメント

ドラゴンの群れからよく逃げ切れましたね……
イラストで見ると無理ゲー感しゅごい

1
Posted by 名無し 2020年04月21日(火) 06:01:59 返信

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