息抜き落書き - 【SS】真 トーナメント いんむのひとたち
暑い真夏の夜、観衆が見守る広い闘技場の中、それぞれの思いをぶつける者達が居た…。

リングの中は暑さも感じないような緊張感に溢れ、一糸乱れぬ攻防は観衆の目を釘付けにする…。






実況「さぁさぁ前チャンプの入場だ〜!表向きは金融業者として活動しているらしいが、その裏で数多くの邪魔者を始末したり、大手企業の社長と繋がっているなどの黒い噂が耐えない男!前大会では初出場にして優勝を掻っ攫っていく圧倒的な強さ!」

実況「まさに最強の極道!TNOK選手〜!」

煙が吹き出し、入場口からTNOKが現れる…

観客「うおおおおおおおおおお!!!」

実況「TNOKさん、一言お願いします!」

TNOK「そういうのいらねぇよ、試合あくしろよ」

実況「おっと…失礼しました、続いては対戦相手の入場です!」



実況「当大会の常連であり、優勝こそ逃したものの、毎回ベスト5に入る実力者!普段は漫画家として活動しており、代表作『ブリブリブリチチ』は世界中で愛されている!まさに文武両道!」

実況「TNOKとどのような戦いを繰り広げるのか!?KBTIT選手〜!」

煙の中からいつもの調教師姿で現れるKBTIT…

観客「うおおおおおおおお!!!!!」

実況「一言お願いします!」

KBTIT「こっちは真面目に生きてきてんだからな?ただのチンピラ野郎に負けるわけないだろ!」

観客「うおおおおお!!!ありがとナーッス!!!!」

実況「早速煽りを入れていくゥ〜!」

実況「それではそろそろ初めていきましょう!なお、勝負は二本先取制になります!」

ジャッジNSOK「はい、よーいスタート」カーン






KBTIT「いくぞ!」






TNOK「…よぉし(覚悟)」








二人「じゃん!けん!」

二人「ポン!」ブワアァァァアァアァァァ









KBTIT✊ TNOK✌

大歓声をあげ騒ぎ出す観客と、対象的に一瞬固まるリングの空気…!

TNOK「んなっ……!!」

KBTIT「やはりな」

TNOK「なぜ俺が…」

KBTIT「お前が使うてはこの『お見通しサングラス』で読んでいたんだよね…細工もせず素直に出すなんて…バカじゃね!?」

実況「なんと!KBTIT選手はTNOK選手の心を読んでいた〜っ!」

観客1「卑怯だぞ貧弱脚野郎〜!」
観客2「面白いぞ〜!あんなヤクザやっちまえ!」

KBTIT「道具さえあれば実力なんて必要ねぇんだよ!真面目に挑んでいた去年までの俺なら、この試合は確実に堕ちたな(確信)」

KBTIT「カッコつけてるヤクザのバカは今始末してやるからな〜?」

実況「心を読むKBTITはまさに最強!TNOK選手惜しくも敗退か!?」






TNOK「俺なんかよりお前の方がよっぽど…馬鹿じゃねえの(嘲笑)」

皆「?」

TNOK「グラサン野郎、グラサン外してテメェの手の中をよーく見てみな」

KBTIT「馬鹿なことを…何っ!?」

KBTIT「小さい真っ黒な塊が手に付いてる…接着剤か…!?手が開かない!?」

実況「KBTIT選手、接着剤によっていつの間にか手が封じられていたーッ!!!」

ざわつく観客、戦いは一瞬にして流れが変わる

KBTIT「バカな…いつの間に!」

TNOK「お前のグラサンにはずっと着目していた…それを利用させてもらった」

TNOK「その真っ黒なグラサンじゃあ、黒い接着剤には気付き辛い…ましてや俺の心を読むのに集中していたんじゃ尚更だろう」

TNOK「まあ心を読むのは俺も想定外だったな…パーを出されていたら手を封じる事が出来なかったかもな」

実況「実に見事な巻き返しだ〜!これは勝負あったか!?」

KBTIT「くそぅ…グー固定じゃ心が読めても意味がない…降参だ」

観客「うおおおおおおおおおお!!!!」

実況「TNOK選手、華麗に勝ちを獲っていきました〜ッ!」