リュバンティア王国。…とても男尊女卑の激しい国である。
女性の人権のないこの国に、夫婦というものなどは存在しなかった。
…ある、一つの貴族を除いては…。
「もう少しですっ、頑張ってください!!」
ある家の一室で子供を産む女性と、母親を応援し必死に介護する使用人の姿があった。
そして部屋の外では旦那が心配そうに俯いて座っている。
この旦那は妻が心配でずっと部屋の前で祈っていたのだ。
当たり前の事のように思えるかもしれないが、この国では異端だった。
…しばらくすると、元気な赤子の産声が聞こえてきた。
「う、産まれました!!」
「本当かっ!!」
男が勢いよく扉を開け、部屋に入ってくる。喜びの目をしていた男だったが、生まれてきた我が子を目にし急激に落胆する。
「……お、女の子…か。」
「ええ…そうみたいですね…」
前述した通り。この国は男尊女卑が非常に激しい。女性の人権は、無い。
そんな国に女の子が産まれたらどうなるか。言わなくてもわかるだろう。
「…ご、ごめんなさい……男の子じゃなくて…」
旦那に申し訳なさそうに謝る母親。
「な、何を言うんだっ!!これはお前のせいでも無いし、この子のせいでも無いさ!」
もっと言えば、この国のせいだ。…と言いそうになったが男は口を噤む。
「……わ、私…。この子のこれからを思うと…」
母親が子を憐れみ泣き出す。…旦那はかける言葉も無く黙ったままだった……。
それから一晩経った。母親は泣きつかれ眠っている。出産に立ち会った使用人は産まれた赤子の世話をしている。
そして、父親はとある決断をした。
「この子を… 男として育てるですって?」
しばらくして、目を覚ました妻に旦那はそんな提案を言い出す。しかし、使用人に止められる。
「お、お待ち下さい旦那様!性別詐称は大罪です!もし、バレるような事があれば…。」
「皆まで言うな。…わかっている。だが、こうでもしなければこの子はきっと国の奴隷にされてしまうだろう。そんな事は絶対に私は許さない。」
「…あなた…。本気なの?」
「ああ。…君さえ構わなければ」
「……わかったわ。それがあなたの答えなら。」
「お、奥様!!」
「そういう事だから。もしこの事を口外したら、君…わかってるね?」
普段は妻以外の女性にも優しいこの男が、一瞬だけ使用人を脅すような喋り方をする。
「わ、わかりましたっ!!」
脅された使用人は普段とのギャップに震え上がり、外れた声で返事をした。
「……。もし、別の理由でこの事がバレたら君は偽装に関わっていない事にするからそれだけは、安心してくれ」
「は、はあ…」
「それであなた…この子の名前、どうするつもり?」
「そうだな…。男として育てていくんだ。だから、生まれる前につけるつもりだったあの名前をつけよう。」
「──ハーツィオ。それがこの子の名前だ」
数日後、貴族である男は"跡取り"が生まれたと報告をした。
そしてもう後には、引けなくなった…。
その子供はすくすくと育っていった。
最初は隠し通すのが大変だった。とにかく女の子である事がバレないよう、他の使用人には
あまり世話をさせないようにした。また、もしもバレてしまった時、出産時に立ち会った使用人が
知らなかったと言い訳をし、逃れられる様に彼女にも一切の手伝いはさせなかった。
少し成長して言葉を喋るようになった時、この国の事と男として振る舞うように教えた。
難しい話にハーツィオは首を傾げたが元気よく返事をして、両親の言うことを聞いた。
そして、彼女は学校に通う事となった。
「……いいかしら、ハーツィオ。学校には貴方と同じ年の男の子がたくさんいるの。より一層男らしくつとめないと。」
「うん…。」
彼女は、引っ込み思案な子に育っていた。…彼女は今まで趣味も、格好も、口調も男の子らしさを強いられてきた。
最初はそれが当然だったから何も苦は無かった。しかし成長するにつれて他のことにも興味が出てきたが
念には念を、ボロを出さない為に、女である事を連想させるような趣味はことごとく禁止されていた。
そんな彼女は本当の自分が何者なのかわからなくなってしまい、心を閉ざしてしまった。
皮肉にも、男としての教育が彼女を女々しくしてしまったのだった。
学園に通うにあたり、彼女の大人しい性格と中性的な顔つきからバレないか心配だったが、杞憂だった。
彼女は学校で友達も作り、一緒に遊んだりもしていた。
ある日の夜。
「…?ハーツィオ。どうしたの」
娘の部屋からすすり泣く声が聞こえて来て、扉を開けて声をかける母。
「…ぐすっ。…ぁ。な、なんでもないよ…」
「なんでもなく無いわよ。お母さんに話してみなさい」
「……うん」
彼女は泣いていた理由を打ち明けた。
周りの女性は皆奴隷で、自分だけが免れている。そして友達にも嘘をついて騙してしまっている。
自分は本当は女なのに嘘をついて男として生活をしている事に、長い間罪悪感を感じていた。
それに加えて、今までの不満も積り積って、彼女は女を隠す事に疲れてしまったのである。
そうして、ずっと我慢していたものがついに溢れ出してしまっていたのだった。
「……そう、なのね。
うん……。ごめんね…。
私達…ずっと、貴女に無理をさせてたわよね…。」
「ううん…お母さん達は悪くない…悪いのは僕…」
「そんな事ないわよ。…誰も悪くなんて無いの。
…あのねハーツィオ。もし、男として生きていくのがどうしようもなく辛かったら。
大きくなったら、この国を出て、女として自由に生きなさい…。外の世界は女のあなたを受け入れてくれるはず。」
「そして外の世界に行ったら、男の子として名付けたハーツィオじゃなくて…レイラと名乗りなさい。」
「…レイラ?」
「……あなたが生まれる前。もしも我が子が女の子だったら…と思って考えていた名前よ。」
「そうなんだ…。じゃあ僕のハーツィオって名前は誰がつけたの?」
「お父さんよ。あの人が、貴方を男として育てていくって最初に決意したの。…その名前もね、一生懸命考えていたのよ。お父さん」
「…そっか…」
母親に打ち明けてから彼女は悩む事は少なくなった。大人になったら、母が言ってたようにこの国を出て行こう。
外国に行ったら本当の自分らしく生きよう。希望が生まれて彼女は、男として生きる今を、頑張ろうと胸に誓った。
だが嘘は長くは続かなかった。
彼女が八歳になった頃。…女性である事が、とうとうバレてしまった。
学校でのプールや体育など…女とバレてしまいそうな行事は、病を理由に彼女は休んでいたが
ある日国からの指令でやって来た調査隊により全て嘘と暴かれてしまう。
…いつでも逃亡できるよう裏で色々と手配していたがその間もなく…
大量の兵士が屋敷になだれ込み、彼女と両親は投獄を余儀なくされた。
両親は彼女だけでも逃がそうと、激しく抵抗したが彼女の目の前で射殺されてしまった。
「オラっ、とっとと入りやがれ。この屑が!」
彼女は牢屋に蹴り入れられた。両親を目の前で殺され、今は完全に放心状態となっている。
「性別偽装なんて何年ぶりだ?馬鹿だよなぁお前の両親どもは。安心しろ、今頃死体は見せしめとして、磔になって矢を打たれてるだろうぜ。
数時間後にゃお前も公開処刑だ。性別を偽装するとどうなるか、国中の女どもに見せつけてやる」
人間のする行為ではない。兵士の発言に彼女は更に絶望した。
「…チッ、にしても腹立ってくるぜ。女の癖に、何年も逃れてたと思うと反吐が出やがる。…処刑の前に、ちょっと殴らせろお前」
牢屋を開けて入ってくる兵士達。暴力の末に、罵倒を浴びせるという地獄のような時間が始まった。
「女であるテメェは生まれて来たのが間違いだったんだよ!!」
「奴隷として働いてる他の女共には、何も思わなかったのか?このクズッ!!」
…彼女は、女として生まれた自分と、この国を酷く憎んだ。
だがもう、後は処刑を待つのみだ。…こんな辛い世界、もう居たくない。
こうなったら、もう自ら命を絶ってしまおう。亡き2人に、会いに行こう。
そう思い舌を噛もうとした時
バァン!!!!
突如、何かが破壊される音がした。何事だろうと顔を上げると…。誰かが、いた。
「ハァ…ハァ…。間に合ったか…!!」
「な、なにもんだてめえ!!」
「うるさい、この屑どもが」
その者は酷く急いでこちらへやって来たみたいだ。息切れをしていた。
相当頭に血が登ってたのか、彼女を囲んでいた兵士達を一瞬で斬殺する。
直後、彼女は気を失ったのだった。
────目を覚ますと、暖かい布団に寝かされていた。ここはどこだ…と身体を起こす。
「シッシッシ!目が覚めたか!!」
少し、ビックリした。顔が青色だったからだ。
「あの…あなたは?」
「オイラはトリッカル・マジーナ!!ここは、魔王城だぜ!!」
それからしばらく、彼女はお調子者の魔物と会話をした。
そして両親の死に牢屋での事を思い出した彼女は、完全に塞ぎ込んでしまった…。
体の怪我は治癒魔法により治ってる。体調も良好。……ただ、心がひどく。なによりも壊されていた。
「……どうかしら、そっちの調子は?」
「……アイツ、両親の事話した途端、何にも聞いてくれなくなっちまった。お手上げだぜ流石のオイラも」
「…そう。でも予想はできてたわ…。これからあの子をどうにかして立ち直らせてあげられればいいんだけど…」
「うーん。じゃあオイラ…と、カリナで毎日話しかけてみるよ」
その日からずっと魔王城の一室で彼女は俯いて過ごした。食事を用意してもらっても全く手をつけず話も聞かない状態が続いた。
マジーナとカリナが部屋に入っては、魔王城で起きた世間話とか、他の魔王軍の面白い話とかを聞かせたが顔を上げる気は無かった。
一日中、俯き続ける毎日。服も着替えず、髪もボサボサになっていっていた。
…そんなある日、リヴァが彼女に顔を見せた。
「失礼するよ」
「………………」
「報告通り、本当に常に塞ぎ込んでるんだね。…碌に、食事も取ってないのも本当か。君、餓死でもするつもりかい?」
「………………」
「お腹も酷く空いてるだろう、食べたらどうだ。心配しなくとも毒なんて入ってない」
「………………」
何も返事をしない彼女に、リヴァは一息つくと、彼女についての情報を喋り出した。
「…ロヴェル・ハーツィオ。ロヴェル家の長女として生まれるも男尊女卑の激しい国の為、男性で生きる事を余儀なくされた…合ってるかい」
「……どうしてそれを」
「…やっと口を開いてくれたね」
「質問に答えてください……」
「魔王軍にはね、色んな情報が入ってくるんだよ。君の事もついでに調べさせてもらったよ」
「……そう。」
興味を無くし、再び塞ぎ込む。…そのまま、一つ質問を彼に放る。
「……なんで、あの時助けてくれたんですか。」
「僕たちの仲間が、あそこに捕らえられちゃってね。君を助けたのはそのついでさ」
「……僕は…もう、死にたいんです。あのまま死にたかった…。」
「それは…両親を死なせてしまったから、かい?」
「……!!」
顔をあげ、リヴァを睨みつけるハーツィオ。
「周りに今までついてきた嘘が全て暴かれ、そして自分の為に両親が死んだ。…君の気持ちもわかるがそれは
「あなたに、何が分かるんですか!」
ハーツィオの声でリヴァの声はかき消される。
「……ずっと、我慢してきたんだ。女の自分を押し殺して。ずっと、ずっと…。それも全部無駄になった!!……僕を、育ててくれたお父さんもお母さんも殺されて…全て、僕のせいで…。僕が女だから。僕が、僕が僕が…」
「全てを背負おうとするんじゃない!!!!」
肩を掴み怒鳴るリヴァ。
「貴様の経験した悲しみや苦しみは、当然貴様にしかわからないだろうな。
だが、貴様が悪いことなどなにひとつ無い!!!!
悪いのは国だ。腐った人間どもが生み出した悪習だ。貴様はそれに、巻き込まれただけだ!!!!」
「嘘だ!!だってみんな、みんなして僕なんか、生まれてこなければよかったって…!!」
「あんな腐った連中の言う事に耳に傾けるな!いいか、貴様が性別を偽らなくてはならなくなったのも、
女性が奴隷として働いているのも、貴様の両親が死んだのも!全ては、あの国の人間共のせいだッ!!」
「!!」
その通りではあった。幼い頃からそう感じてはいたが何故か他人のせいにできない自分がいた。
「少しは奴らに思うこともあっただろう!?理不尽だとは思わなかったのか!!男が優遇されて女は冷遇を受ける事に!!」
「うぅ…僕は、僕は僕は……」
「貴様の本心はなんだ!?」
「僕は…あ、あの国が…憎い……!!あ…あんな国…無くなってしまえば、悲しむ女性も…みんな…みんな、居なくなるのに!!!!」
全てを吐き出した彼女に、魔王は優しく頭に手を乗せる。
「……言えたな。君は、強い人間だ。
今の想い…決して、忘れるな。…そしてこの僕も…心に刻んでおく。
君自身の無念も、君の両親の無念も、全て僕が…いや。この魔王軍が晴らしてやる!!」
「……ど、どうするっていうの…」
「僕が世界を変える」
「せ、世界を…?」
スケールが大きすぎて、彼女にはよく伝わらなかった。
「手始めに…全世界から人間を消して、魔物の世界にする。そうすれば全て魔王である僕の下で差別も貧困も無く暮らせる!!」
「そ、そんな…全世界の人間に…宣戦布告をする気なんですか…!?」
「そんな野蛮な事はしない。いいか、僕は魔王の一族だ。その一族の力に世界を闇に覆うことが出来る。そして全世界が闇に覆われた時────
これはリヴァがあまり他人に話さない、重要な計画の話。
それを話したのは彼女を信頼しているのか、はたまた…。
「………そんな、事が…」
「…反対するかい?まあ君が反対しても、僕は絶対にこの計画を実行する。今後君のような悲劇を生まない為にも一刻も早くね…」
「……僕の話したい事以上で終わりだ。
…ご飯、冷めているだろうから火の魔法で温めておいたぞ。餓死しないうちに食っておけ」
「…っ。」
「魔王軍に入りたくなったら、いつでも僕に声をかけるがいい。…じゃあ、また。」
そう言い残してリヴァは部屋を後にした。
次の日。
「おーい!!朝ご飯を持ってきたぞ。入るぞ〜。…うおおっ、こっちを振り向いてるだとッ!!」
「……そんなに、驚かないでよ」
「うおおっ、返事した!!しかも、昨日出した晩飯、完食してる!!」
「……朝ごはん、いただきます」
「うわああぁ!!目の前で食べたぁあ!!」
「だからオーバーリアクションだってば!!」
「わ、わりい。しかし、どうしたんだぁ?そんな急に…態度がいくらなんでも変わりすぎなんじゃ」
「……あのさ。」
ぶつぶつ喋っているマジーナに上から話しかける。
「ん?なんだ。」
「あ、ありがとう…ね。……僕に、毎日話しかけてくれて…。励ましてくれてたんだよね。」
「…あぁっ!気にすんな!!元気になってよかったぜ、ニシシ!!」
マジーナは今までで一番軽快な笑顔を彼女に向け笑った。
「……そういや名前聞いてなかったな。ん、そーだ。人に名前を聞くときは自分からだっけな。オイラは…」
「トリッカル・マジーナって言うんでしょ。ずっと聞かされてたから覚えちゃった」
「お、おお!…ちゃんと、話聞いてくれてたのか。…んでアンタはなんてんだ?」
「僕は…………うん。僕はレイラ。ロヴェル・レイラ・ハーツィオって名前だよ」
彼女は亡き母がかつて教えてくれた名前を名乗る事にした。
ここでなら…本当の自分でいられる気がしたからだ。
ハーツィオ…いや、レイラは魔族達の励ましにより少しずつ、心を開いて行った。
そしてそれから魔物達に魔法と、戦い方を教えてもらおうとした。
リヴァは別に無理して戦わなくてもいいと言ったがそれでも彼女は引かなかった。
強くなりたい…そして、いつかみんなの役に立ちたかったから。
そしてその頃に、彼女は魔王城で頻繁に見かける女の子と出会う。
アスター・ラネット。…自分と同じような境遇で魔王リヴァに助けられたという。
彼女達はすぐに仲良くなった。そしてレイラが魔王軍に正式に所属するようになった直後、
彼女も魔王軍の研究員として加わった。
2人はまるで、生まれた時から一緒にいる姉妹かのように仲良くなった。
そんなある日二人は、魔王軍の幹部への昇格を話していた。
「ええ、魔王軍の幹部?」
「あはは、人間なのに無理って思った?…でもね、そこまで上り詰めないと僕の気が済まないんだよ」
「……ううん。とってもいいわね、それ。幹部になる程、実力をつければリヴァ様の役にも立てる…!決めたわレイラ。私達魔王軍の幹部に一緒になろうよ!!」
「うん、約束!」
……それから二人はそれぞれ。自分の得意な事を伸ばして行った。
ラネットは機械いじりをどんどん昇華させ巨大ロボやジェット機を作れるほどに。
レイラは見事な弓術と…心を操る魔法を取得した。そして…身のこなしの良さを買われてスパイとしての潜入調査も任されるようになった。
そして17歳になったある日。レイラとラネットは、晴れて魔王軍八大幹部のメンバーになれたのであった。
八大幹部はその名の通り八人の魔王軍の猛者が集まる幹部だ。…今は一人、欠番だが。
魔王城に在る8つの赤と青の屋根の塔から考えられたという。その塔のうち一つが、幹部達の部屋となったのだった。
「…………幹部昇格、おめでとう!ラネット!!」
「ふふふ、貴女もね!」
彼女達は、互いの成長を喜び合い魔王軍への忠誠心を分かち合った。
〜数ヶ月後〜
「……以上が、僕が人間ながらにして魔王軍にいるワケ。これでわかってもらえたかな?」
レイラは冷ややかな目で目の前にいるニンゲンに話していた。
「柄の悪い奴によく言われるんだ、人間の癖に魔王軍の幹部だなんて、ズルい事でもしたんだろ、とか。
そんな事は断じてない。僕は…必死だった。ひ弱な自分の力を鍛えてリヴァ様の役に立つってね!!」
「そして…僕と両親をこんな目に合わせた人間を消してやる…。世界は絶対的な強さを誇る魔王リヴァが支配する魔族によって。
差別も穢れもない平等な世界を、築き上げる!!」
「そんな人一倍、強い信念が人間の僕をここまで強くさせたんだ。もうじき…世界は闇に包まれる。ふふっ、邪魔者は許さないよ?
特に、人間はね…!」
彼女はそう言って銃口を彼らに向ける──。