息抜き落書き - 閑話 精霊との出会い
カラフルアイランド、10年前…。

「ここどこだろ〜?」

アミィ・ラフレッド(5)は、母と島の外れに遊びに行き…道に迷ってしまっていた。
あたりはカラフルな木々に囲まれ、来た道もわからなくなっている。

「おかあさんとはぐれちゃったな〜。…まいっか!」

一人で道に迷っているというのに、呑気に彼女はあたりを彷徨う。
すると、何かが倒れているのを見つけた。

「あれ、どうしたんだろこの子。…羽生えてる。人間…じゃない?」

「う、うぅ〜…す、すみません。そこの人…」

「うひゃあ、喋った!!」

「ちょっ…逃げないで…」

「……ど、どうしたの?大丈夫?」

「…の、喉が渇いて死にそうなんです…水を持ってませんか…」

「ええ!持ってないなぁ…」

「そ、それだったら…近くに、ライトブルーレイクがあるんです。そ、そこに連れてってもらえませんか」

「…わかった!アタシにまかして!」

アミィはニッと笑うと、倒れている子を抱えてレイクを探し出した。

「…あなた、お名前はなんていうの?」

「み…水、飲んでからでもいいです?喋る気力もないんですよ…」

「…ふーん。…アタシはアミィ!ねえねえ、この髪飾りかわいーでしょ?ほら、貴方のお羽とそっくり〜!」

「……は、早く水を…」

そこからウロウロしながら、ようやくアミィは湖に発見した。

「たどり着いたよー!!」

「う、うおおおおおっ!!」
ゴクゴクゴクコクゴク…



「ぷっはぁー!!マジ生き返りました!!ありがとうございます!!」

「すっごーい、元気になったね」

「はぁい!いや本当一時はどうなるかと…」

「それでさ、貴方お名前は?」

「あっ…そうでしたね。私の名前は、パタフリルって言います。…実は蝶の精霊なんです」

「……せーれー?」

「…精霊というのはですね…人に隠れて暮らす、特別な種族の事なんですよ。」

「へー!なんだかわからないけど、すごいんだね」

「それで…お礼と言ってはなんですが、貴方と契約をしてあげます」

「??」

「ああ、契約も知らないですか。…精霊は、人間と契約する事で困った時にお助けする為に飛び出してくるんですよ。だからもし、アミィさんが魔物に襲われたりしたら私を呼び出せば戦ってみせます!」

「…なんだか、よくわからないや」

「はは…とりあえず契約、しときます?」

「……うん!」

「じゃあ…そうですね〜その可愛い髪飾りにしようかな。」

そう言い、パタフリルはアミィについている蝶の髪飾りに触れた。
その次の瞬間、髪飾りは眩い光を放つ。

「わっ…眩しい…」

「……はい!契約完了です!…人間と精霊が契約するには人間の所持するモノを媒体にする必要があるんですよ。ですから、貴方の髪飾りに…」

「…すぅ、すぅ…」

「……契約するには、幼すぎたかなこりゃ…」

その後アミィが起きた後、パタフリルは彼女を人里へ案内してあげ、事なきを得た。

「おかーさんただいまー」

「アミィ!!どこ行ってたのよ!?」

「せーれーさんがねー…あれっ?」

「……?」

(ごめんなさいアミィさん。あまり、人がいるところじゃ出てこれないんです…)

タイミングを見計らって遠くに離れていたパタフリル。

「うーん…そーだ、髪飾り!」

「ちょっ…ええええええっ!?」

「な、なに!?なんなの!?」

「ひ、人前で召喚しないでくださいよーっ!!」

幼くもやんちゃなアミィに振り回されっぱなしのパタフリル。
その後何年も、彼女たちは一緒に過ごしていつしか相棒のような
存在になっていくのであった…。