またーり書き込みしましょ(´・ω・`)

前世というものがあるとしたら、信じるだろうか?
おそらく信じる派も信じない派もどちらもいる事だろう。
俺は全く前世というものは信じていなかった。…あの時までは。

俺はある街の中学校で教師をしている。といっても教師になってまだ、二年目。右も左もわからない俺はその年、
初めて一つのクラスの担任を受け持つ事になったのだ。最初こそ不安にあふれていたがうちのクラスは
誰一人として不良も問題児もいない、端的に言えば最高のクラスだった。それと、俺がまだ若く
生徒達とも少し年齢が近いのもあり、ゲームやアニメの話題をしたりしてすぐに打ち解けていったんだ。

さて、そんな日々を過ごしていたんだが…いつだったか?五月の…下旬頃からか?
ふとした瞬間に、突如見覚えのない光景が頭に浮かんでくるようになってしまったのだ。
それはとても綺麗とは呼べず、血みどろで戦場の焼け跡、誰かの倒れた姿が浮かぶイヤな物だったのが祟った。

その景色が浮かぶようになってから、俺は少しずつ体調を崩して休養を取ることになってしまったんだ。
休養してる最中も当然、その景色が頭に浮かんできた。それでやる事がなかった俺は…ネットで、俺と似たような症状を
持つ人がいないかを調べてみたんだ。

結果はなんと。4人も、同じ症状を訴える人が見つかった。それも、俺と同じく5月の下旬辺りからその症状が出始めたと言うのだ。
最初にそれをみた時は思わず鳥肌が立った。すぐさま、俺たちは場所をやり取りしながらお互いに会ってみることにしたんだ…。




国境が近い、隣町のカフェで俺たちは落ち合った。
そこで待ってたのは……中々に、個性的なメンバーだった。
メアリーと名乗る女性にミングーと名乗る女性は…病院で働く女医。
二人とも同じ日から、俺と同じ症状を患ったという。

そしてペルミネアという凛とした女性にゼビアと名乗る厳ついおっさん。
彼らも同じ同僚で、お隣の国の軍隊として前線で戦っていると言うのだから驚きだ。
ちなみに彼らが隣国に住んでいる為に、今回国境の近くにあるこの街で会うことに決まったのである。




「それじゃあ…大体、みんな見るものは一緒、ってことだね…」

俺たちが見るものや景色について。ネットの時にも十分話し合ったが、実際に会って聞いた結果、俺が見たものとより近いものだと言うことがわかった。

「……そうだ。大勢の軍隊に、血の流れる景色。…我々も軍人ではあるが…見たことのない人や景色が写っていた。我々は普段見慣れているからこそ耐性はあるが…惨い光景が突如浮かぶ気味の悪さに、仕事に悪影響が出かねん状況なのだ…」

その言い方だと、まだ仕事には悪影響出てないのかよ。軍人ってメンタル凄いんだな。

「…私たちは、人の命を救う仕事です…。今回の症状が出るようになってからと言うもの、全く仕事に取り掛かれておらず…このままでは、医師免許を返却することになってしまいそうなのです」

…それも当然、か。繊細な作業を要する医師に突然こんなショッキングな光景が浮かんだら。必ず、失敗するだろう。
それでは仕事を続けるのも不可能だ。

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